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格安バーチャルオフィス選びの落とし穴|月額500円以下に潜む5つのリスク

比較/選び方

月額300〜500円の格安バーチャルオフィスは確かに存在する。ただし、安さには理由がある。過去に犯罪利用された住所、審査なしで誰でも契約できる杜撰な運営、突然のサービス終了――こうした問題に当たると、事業そのものに深刻なダメージを受ける。この記事では格安サービスの具体的なリスク5つと、安全に低コストで使うための選別基準を解説する。

リスク①:犯罪利用された住所を使ってしまう

入会審査が甘い格安サービスでは、詐欺や違法な金融業者に利用された「汚れた住所」が混じっている可能性がある。そうした住所は警察のデータベースや金融機関のブラックリストに載っており、自分が法人口座を開設しようとした際に審査で落とされるリスクがある。

実際、2020年以降は暴力団対策法等の影響で法人口座開設の審査が厳格化しており、住所の信頼性は審査結果に直結する。「住所を検索して詐欺関連の情報が出てくる」サービスは避けたほうがいい。

リスク②:運営会社の突然の閉鎖・サービス終了

月額数百円で利益を出し続けるのは簡単ではない。運営母体の資本力が弱いサービスでは、利用者が増えないまま数年で事業撤退するケースがある。サービスが終了すると、登記住所・名刺・Webサイト・取引先への通知をすべて変更しなければならず、手間とコストは月額料金の比ではない。

運営実績の確認方法

運営年数は最低でも3年以上が目安。法人番号公表サイトで運営会社の設立年月日を調べるか、Wayback Machineで公式サイトの運営開始時期を確認できる。自社ビルを保有している運営会社は撤退リスクが低い。

リスク③:郵便転送の品質が低い

格安プランでは郵便転送が「月1回」に限定されているか、そもそもオプション扱いで別途料金がかかることが多い。月額300円のサービスでも郵便転送を追加すると月額1,000円を超えるケースがある。

さらに問題なのは転送の正確性。大量の契約者を少人数で管理しているサービスでは、郵便物の紛失や誤転送が報告されることがある。書留・簡易書留の受取に対応していないサービスも存在するため、契約前に対応可能な郵便種類を確認しておく必要がある。

リスク④:法人登記に対応していない

月額500円以下の最安プランは「住所利用のみ」で法人登記に対応していないことがある。法人化を視野に入れている場合、登記対応プランに切り替えると月額が2,000〜3,000円に跳ね上がり、結果的に最初から中価格帯のサービスを選んだほうが安かった、というパターンは珍しくない。

リスク⑤:隠れた追加費用が発生する

格安を売りにするサービスの中には、基本月額を極端に下げる代わりにオプション料金で利益を確保するビジネスモデルを採用しているところがある。よくある追加費用の例を挙げる。

  • 郵便転送の送料実費:1回あたり数百円。月4回転送すると月額2,000円近くになることも
  • 書留受取手数料:1通300〜500円
  • 住所変更・プラン変更手数料:1回1,000〜3,000円
  • 契約更新料:年1回、5,000〜1万円程度

月額300円でも年間トータルでは3万円を超えるケースがある。GMOオフィスサポートの月額660円プランやレゾナンスの月額990円プランのように、基本料金にある程度のサービスが含まれているほうが結果的に安くなることが多い。

安全に安く使うための3つの選別基準

基準1:入会審査の厳しさ

本人確認書類の提出と事業内容のヒアリングがある=審査を実施している証拠。「最短即日・審査なし」を売りにするサービスは、同じ住所に反社会的勢力が入り込むリスクを放置していることになる。

基準2:運営年数と利用者数

運営3年以上かつ利用者数を公表しているサービスは一定の安定性がある。ワンストップビジネスセンターは累計2万社以上、レゾナンスは累計2万社以上の実績を公表しており、この規模なら突然の撤退リスクは低い。

基準3:料金体系の透明性

公式サイトに初期費用・月額・オプション・送料の一覧が明記されているサービスを選ぶ。「詳細はお問い合わせ」が多いサービスは、見積もり時に想定外の費用を提示される可能性がある。

格安でも信頼できるサービスの目安

「格安=危険」ではない。和文化推進協会はNPO法人運営のため月額550円で利用でき、審査も実施している。GMOオフィスサポートは月額660円からで、GMOインターネットグループが運営母体のため資本力の心配が少ない。価格の安さと運営の信頼性は必ずしもトレードオフではなく、運営形態やビジネスモデルによって両立しているサービスも存在する。